転職市場最前線

転職市場における人材不足による求人増加

人材不足による求人増加

転職市場で勝つためには 人材不足による求人増加
Pocket

増加する有効求人倍率

バブル経済の崩壊以降、転職市場は厳しい冬の時代が長く続いてきましたが、2011年に起きた東日本大震災からの復興需要やアベノミクスによる景気の拡大により、近年は転職者有利の方向に活性化してきました。純粋に企業での人材の採用が拡大しており、このような理由以外にも団塊の世代など人口ボリュームの大きな世代の方が退職する年齢を迎えてしまったことなども大きく影響を与えています。具体的な数字として、厚生労働省が発表する「一般職業紹介状況」によれば有効求人倍率は2015年の時点で1.20倍となり、2014年の1.09倍に比較して0.11ポイントも上がっています。

大手企業での人材不足

ある求人サイトが大手企業や中小企業など複数の企業にインタビューを行ったのですが、人材の不足感は中小企業よりも大手企業で高まっているそうです。企業規模全体で言えば4分の3を超える75.7%の企業が人材が不足していると感じており、これを従業員が300人以上の会社に絞りますと、5分の4を超える82.3%の企業が人材が不足していると回答をしているのです。逆に従業員数が30人未満となるような企業ですと、それでも多いものの人材が不足していると回答した企業は71.6%ほどであり、全体の比率や大手企業に比較すると若干ですが少なめと言えるでしょう。

欠員募集ではなく組織の拡大

なおこれは良いことだと思うのですが、現在の人材募集状況には以前と異なる傾向があり、新たに人を採用しようという企業の採用理由として、人が足りていないという欠員の補充ではなく、組織の拡大や強化のための採用を行っている会社が多いようです。それだけ経営に対して積極的な会社が多いということなので、日本経済全体の景気にとって望ましいと言えるでしょう。
また目的が組織の拡大や強化にあることから、業界が未経験の方でも転職チャンスが溢れていると言われています。もし欠員の補充であれば即戦力となる人材を採用しなければならず、時間をかけて人を育てている余裕がありません。しかし拡大や強化のための採用であれば、キャッシュフローの問題さえクリアすれば人材の教育に時間的な余裕があるので、ポテンシャルが高い方であれば業界が未経験の方でも採用される余地があるのです。また、経験者に採用対象を限定するとそもそも採用候補となる人に出会えなくなってしまうという問題もあります。ただそうは言っても職務経験が不要ということではなく、職務経験を引き続き重視している企業も多いので注意してください。未経験の業界に飛び込むのだとしても、学歴や資格、また所属業界での仕事の成果などが求められてきます。



特集カテゴリ

新着情報