性別年齢別にみる失業率
数字を知る大切さ
転職について深く知っていくためにも、今の転職市場がどういった環境になっているのかを押さえておきましょう。なおそのためには各種の統計数値を参考にするのが最もおすすめの方法です。特に転職の行いやすさや転職に苦労している人がどれだけいるのかを知る参考になる完全失業率は重要な情報と言えるでしょう。完全失業率とは15歳以上の人で病気によって働けない人や就学しているために働けない人、また例えば資産が多いなどの理由で働く必要や働く意欲がない人を除いた働く意思のある人のうち、仕事を探しても仕事を見つけられない人のパーセンテージを総務省が調べて発表している数字です。
この数字を年齢別や性別別に見ていったり、その時系列を追ってみたりすることで今転職を行いやすいか行いづらいかがわかります。当然完全失業率が高ければ今転職市場には仕事を求めている人が多く、求人数が足りていないことになります。またその逆に完全失業率が低ければ求人に対して採用可能な転職志望者の数が不足していると言えるのです。
2013年の完全失業率の状況
現在の転職市場のことを理解するために、直近にあたる2013年の完全失業率を年齢ごとや性別ごとに見てみましょう。基本的な傾向として2012年末に誕生した安倍政権によるアベノミクスによって景気が上向いて以降、どちらかといえば完全失業率は低くむしろ企業が採用に苦労している状況が続いています。男性は前年に比較して0.3低下の4.3%でしたし、女性も前年に比較して0.3低下の3.7%でした。また年齢別にみてみますと男女ともに15~24歳という義務教育を終えた労働市場にいる人たちの中では若い世代の人たちの完全失業率が最も高く、男性は7.6%、女性は6.2%という結果になりました。
大きな傾向としては年齢が高いほど完全失業率は低くなり、女性の方が男性よりも完全失業率が低く仕事を見つけやすい環境にあると言えます。
女性の失業率の方が低いわけ
どうして上記のような結果になったのかの理由を見てみましょう。年齢に関して理由はシンプルで、若い人は余裕があるのでフラフラできますし、年齢が高い人ほど仕事を探す際に余裕がないので真剣になるという背景があります。一方女性の完全失業率が男性に比較して低い理由は、現在求人数が多い産業が医療系や福祉系など女性に人気の仕事に偏っており、そのために男女差が生まれていると言われています。多くの方がご存知の通り日本は高齢化社会を迎えており、介護などの福祉に関する仕事はどんどん増えており、人材の供給が追いついていないと言われています。